止まった時の住人
「あ、実は、相談したいことがあるねん。ちょっと時間ある?」


「おぅ。俺で力になれるんやったら。何や?」


やっぱり、武は頼りになる。


健はこの事件について、一から丁寧に説明した。


「ふーん、っちゅーことは、今日の29日は、すでに一回過ごしてるってこと?」


「うん。まさに、そうや」


「健……何の冗談や?」


「冗談やないんや!」


「さすがに、それは信じられへん。ありえへんやろ?現実には起こらん。絶対夢やって」


「違う!信じてくれ。証明する」


「出来へん。健。どないしたんや?」


「わからん……何やろ……」


「とにかく、ホンマにそんなんが起こってるように思うんなら、病院に行ったほうがええと思うで?」


「わかった……まぁ、もうちょっと考えるわ…」


「おぅ。明日の練習、遅れんなよ」


一瞬ビクッとしたが、「おう」と軽く答えて電話を切った。
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