止まった時の住人
武は無理かもしれない。


優しくて器も大きいが、逆にそれが裏目に出て非現実的なことはとことん信用出来ない、真面目なタイプだ。


……って言うても、こんなバカげた話信じる奴の方が少ないから、しゃーないことやけど……



11時、48分 通話時間10分23秒


「まぁ、しゃーないか。あとは……伸也……」


伸也に言っても無駄なような気がする。性格からして、そんな非現実的なことを受けとめるはずがない。


「やっぱ……まずは竜二かな……」







14時。


「んー……」


健は、今いち状況がよくわからなかった。


本当に時間は戻っているのか……


「とりあえず飯でも食おかなー」


今の状況に頭がいっぱいで、何も口にしていなかった。


健は一回に降りると、冷蔵庫を開けた。


「あー。何もないやん……」


とりあえず、キッチンの引き出しに入っているインスタントラーメンを食べた。


食べている時もずっと時間が戻ったことが気になった。
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