止まった時の住人
「おぅ。そうやな、俺も同じこと考えてた。とりあえず、竜二は説得出来そうやねん。伸也と同じように、竜二にも時間が戻ってるってことを伝えたんやけど、同じように『じゃあ証明しろ』って言われた」


「そうか…」


「けど時間が戻る前の31日、竜二は運良く『昨日、時間が戻る夢を見た』って言ってたんや。まさにこの状況の夢や。このことを……そうやな、そろそろ竜二に伝える。今日見るはずの夢を予知されたら、説得できると思うねん」


「そっか。でも……それは、無理かもしれん」


「何でやねん?」


「いっぺんやってみろ。僕は家帰って、作戦を考えてみる」


「何でや?夢を予知できたら、完璧やろ?」


「予知できたらな」


「お前、ホンマは俺を疑ってるんか?」


「疑ってへん。でも……それは出来るかわからん。わからんって言うのは、お前を信じてないからやない。科学者を信じてないからや」


「どういう意味や?」


「まぁ、一回やってみてくれ」
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