止まった時の住人
「あ…また携帯壊れだしたか……通話時間が…まぁええわ……」


携帯電話を充電機に差し込むと、布団に入った。布団に入ると、しばらくは色々なことを考えて、なかなか寝付けなかった。


まさか、伸也が信じてくれたこと。そして、明日には竜二という味方が増えること。


昨日に比べてとても安堵した健は、心地のいい眠りについた。







31日。7時。


目覚ましもセットしていなかったのに、健は早くに目が覚めた。


携帯電話を見ると、着信は0件だった。まだ竜二から電話はきていない……


とりあえず朝ご飯を食べるために、一階へ降りた。


廊下に向かって左の部屋から、何やら「隆史……」と、声が聞こえる。寝言のようだ。


そう言えば、おばあちゃん帰って来たんやっけ……


キッチンに行って、机の上にある袋包みの食パンをさっと食べ、再び二階へ上がった。
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