止まった時の住人
7時、15分。もうすぐ、竜二から電話が掛かってくる。


楽しみで、健はずっと携帯電話を見つめている。


しかし……


20分……


30分……


50分……


8時……


8時半を過ぎても、竜二からの電話はなかった。


「あれ?何で?」


待ちきれなくなった健は、竜二に電話した。


プルルル……プルルル……


ガチャッ


「もしもし?竜二?」


「健……何や?」


その低い声を聞いて、健は電話の向こうで竜二が怒っているとわかった。


「どないしたん?」


「どないしたんとちゃうやろうが。そんな夢、見ぃひんかったぞ。こんな嘘つくとか……お前、最低やな。こんなありえへん話やのに、お前が真剣に言うから一生懸命信じようとしたんやぞ。お前がこんなしょーもない奴やったとは思わんかったわ」


「……え?」


「ほな、用ないなら切るぞ」


「違う!ちょっと待て!」


ガチャっ……ツー、ツー……


どうなってるんや……
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