止まった時の住人
「試してみなわからんやんけ。テレビなんか嘘ばっかりやし」


「俺はそのせいで、竜二とケンカになったんやぞ!」


「落ち着けって!もしもう一回、時間が戻ったら、今日の会話も全部無いことになるやんけ」


「あ、そうやった。……でも、もし時間が戻らんときは?」


「それはめでたいことやんけ。もしそうなれば、竜二のことは、僕が誤解を晴らす」


「そんなん出来るんか?」


「出来る。僕を信用しろ」


「わかった……」


「とりあえず、僕は僕でもうちょっと解決の方法を探してみる。……って言うても、今のところは全く見当付かんけどな。健、お前もお前で考えてみてくれ」


そう言って電話を切った。時刻は9時前だった。


……とりあえず、今は何をしていいのかわからない。


「どーしよ……あっ」


ふと、時計のことを思い出した。


「この時計、時計屋に持って行ってみよ」
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