止まった時の住人
いつもはふざけている竜二だが、このときばかりは不思議そうな顔をしながら黙ってしまった。


「で、この曲のサビの歌詞を俺に考えてもらいたいんやでな?」


「……ん?あ……うん。は?何これ?どうなってるんや?」


「どうや?俺の話、信じる気になったか?時間が戻らんかぎり、こんなことは不可能やろ?」


健が竜二の顔をのぞき込みながら言った。


「えっ、何これ?」


「信じがたいとは思うけど、どうやら時間が戻るのは現実に起こってるみたいやねん。夢とかやない……。とりあえず、証明したやろ。今のが、証拠や」


「う、うん……何かまだ不思議な感じはするけど、とりあえず信じるわ……っちゅーか信じるしかないよな……よしっ!信じる!……っちゅーか、何これ?こんなん現実に起こるんか?」


「どうやら起こるみたいやな。ほな、早速やねんけど今から俺の家来てくれへん?伸也も信じてくれたから、三人でこれからどうするか話しよ」
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