リンゴとミカンの事情
なのに、こんな口より足が先に出る少女が出来上がってしまった。

けれども、兄達は心配で仕方がないらしく、毎日、送って帰って来いと脅しのような頼みを引き受けてしまった。


「お前も一応女だし。お前のアニキ三人がかりだと怖いし」

「ありがと」


ミカンがそんなことを言うからドキリと胸が鳴った。

ミカンを家まで送り届けると、中からすぐ上の祈初(きうい)さんが出て来た。


「お姫様の護衛ご苦労」

「いえ」


キウイさんは誰よりもミカンを可愛がっている人だ。
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