リンゴとミカンの事情
「おはようリンゴ」


何の因果が神の嫌がらせかミカンと家の前で鉢合わせしてしまった。


今日、この時だけは会いたくなかった。

あんな夢に勝手に出演させてしまった揚句、自分の欲望のはけにしてしまった罪悪感が拭えない。


「おう」


何事もなかったかのように歩くが、隣を歩くミカンはやっぱり気になる。

実際には制服の中だが、


「なぁ、話し聞いてる?」
< 18 / 50 >

この作品をシェア

pagetop