リンゴとミカンの事情
「ちょっと綺麗だの言われて調子乗ってんじゃねぇよ。お前ぐらいならその辺にゴロゴロいるっつーの。だいたいお前みたいに性格もガサツな女とやりたい奴なんているかよ、金出されたって断るぜ」


勢いに任せて吐き出した言葉に背筋が凍る思いがした。

違う、そんなこと思ってない。

と土下座したいと頭は思うが、身体は動かない。

プライドが邪魔をする。


早くしないと、ミカンの大きな目が冷たく、感情を無くし始めている。
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