リンゴとミカンの事情
「もう良い」


ミカンは肩にかかった衣装を脱ぎ捨てると、隠すこともせずに着替え始める。

慌てて回りの女子が隠すが、ミカンは気にすることなく制服に素早く着替えた。

「丈とかは大丈夫だよ。首のところの刺繍がちょっとちくちくするかな」


周りの女子と数回言葉を交わすと、リンゴの方に向かってくる。

「ミカン…」


謝ろうとした瞬間、腹に衝撃が走った。


吹っ飛ばされて壁にぶつかった。

腹が痛い。痛みで目が開けられない。

片目でミカンを見ると、片足を上げていた。

腹を蹴られたとようやく気づいた。
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