リンゴとミカンの事情
沈んだ気持ちのまま、リンゴは校門をくぐった。

朝、ミカンの部屋を見たがカーテンは開いていなかった。


知っている顔に挨拶されても機嫌よく挨拶できるわけもなかった。


ミカンが学校に来たとして、どの時間で、どのタイミングで謝れば良いか考えるが、思いつかない。


そんなことを考えていると、ホームルームが始まってしまった。

ミカンの席にはまだ本人が来ていない。


「不動は風邪で休みだ」


と担任が発表した。
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