リンゴとミカンの事情
周りの男が否定すれば、自分の言葉が間違いだと言うように、ミカンの笑みが深くなる。


周りの女子の視線がささる。


「だからさ、こんなオレのこと大事にしてくれる人なら、あげてもいいかなぁ?」


まさに、狼の群れの中に、適齢期の雌狼を投げ込む言葉だった。

ぎらぎらした目つきの狼達が、可愛いらしく首を傾げたミカンをいままさに飛び掛からんばかりの勢いだ。


それは、ミカンの感情がなくても良いと言うことではないのか?


恋愛はお互いの気持ちがあるから成り立つものじゃないのか?
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