リンゴとミカンの事情
「ミカン、来い」


席から立つとミカンに群がる男達を掻き分けて、ミカンの手を掴むと嫌がるミカンを教室から連れ出した。

止めようとする奴らを睨みつけると、余りの剣幕に誰もが手を引っ込めた。


ミカンを連れ込んだのは、今は使われていない生徒指導室だ。


鍵も忘れずにかけた。

ここで邪魔されるわけにはいかない。


「何だよ」


ミカンは不機嫌まるだしな表情でリンゴを睨んでいる。


「お前、いい加減にしろよ」


ミカンの無防備さ加減に飽きれる

「何がだよ」

「こういうことだ」
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