婚約者代理!?
それから少しして、山崎先輩の家の前に着いた。
そして、あたしは気づいた…
「先輩の家ってあたしん家から、けっこう近いんですね!?」
「え!そーなの!?」
だって…
これから少し歩けば…
あたしの家が見えてくる道だし…
「運命かな?」
冗談半分に言いながら、先輩は笑ってて…
「ぷ!何言ってるんですかぁ?」
その冗談と先輩の笑顔で、自然とあたしの顔も緩んだ。
「てか、暗いし…家まで送ろうか?」
「大丈夫です!近いですから!」
「…………―いや!送るよ!」
――えっ!?
玄関から傘を取り出して、先輩はあたしの前まで来て…
「行こっか?」
優しく笑って、あたしの背中を軽く押した。