婚約者代理!?
今、先輩の言葉にドキッとしたのに?
さっき、一緒に居て楽しいって思ったのに?
夢輝の一言で、今まで積み重なってきた思いが、一気に砕け散った気がした――
「そんなの、わからないだろ」
「わかりますよ、こいつは先輩を見てませんから」
「え?」
――――――え?
夢輝、何言ってるの?
あたしは先輩を見てるよ?
「何言ってるか、いまいちわからないなぁ…」
「わからなくて結構です」
「君は、可愛くない後輩だね?」
「今頃、気づいたんですか?」
「いや、今、確信しただけで、今までだって、疑ってたから」
「そうですか」
サッカーをしてる時に向ける、尊敬の眼差しは、今の夢輝の目には少しもなく
その目は―――
ただ、目の前で苦笑いする先輩を睨むだけだった。