婚約者代理!?
「ちょっと待ってろ」
入るなり、夢輝は1人で受付に行き、何か話が終わると、「来い」っと言ってエレベーターに向かう。
誰かのお見舞い?
でも、なんであたしまで?
夢輝の知り合いなんか、あたしは知らないし…
てか、夢輝自体もよくわからないし…
エレベーターはどんどん上に上がって行き、7階で止まった。
ドアが開くと、病院どくとくの匂いがする…
あたしの苦手な匂いだ…。
夢輝はあたしに構わず、どんどん先に進んで行く。
そして
ある病室の前で、足を止めた。
スッとあたしの方を見ると…
「奈津美、来て…」
さっきまでの感じとは違い、優しく微笑まれた。
仕方なく、夢輝の前まで行き、名前を見ようとした時、夢輝の手によってあたしの視界は0になった。
「なっ!?」
「俺がリードするから、安心して歩いて…」
後ろから聞こえてくる声が、妙に優しくて安心出来た。