婚約者代理!?
「夢輝様、お迎えに参りました」
「あぁ…」
お迎えって…
「夢輝…」
「ん?」
夢輝の柔らかい笑顔、見ると…
改めて、叩きつけられるように襲ってくる…現実。
「迎え?」
「うん。迎え…」
「帰っちゃう…の?」
「………あぁ」
優しく笑う夢輝が…
―――――歪んでくる…
「奈津美っ!?」
「ごめっ…」
泣いてる?また?
なんで悲しんでるの?
「泣くなよ…」
「…………」
話さない。
………話せない。
声が出ないから…
「夢輝様?」
「……あ、あぁ…」
「そちらのお嬢様は?」
「え?あっ、あぁ…こいつは…」
夢輝の言葉が詰まった。
なに?なんで?
そんなに、あたしは―…
「……―最高の女だよ」
―――――えっ…
顔を上げたら…
頬を少し赤く染めて、微笑む夢輝が居た―…