婚約者代理!?





「夢輝様、お迎えに参りました」




「あぁ…」







お迎えって…




「夢輝…」

「ん?」




夢輝の柔らかい笑顔、見ると…




改めて、叩きつけられるように襲ってくる…現実。




「迎え?」

「うん。迎え…」

「帰っちゃう…の?」

「………あぁ」





優しく笑う夢輝が…




―――――歪んでくる…








「奈津美っ!?」

「ごめっ…」




泣いてる?また?


なんで悲しんでるの?







「泣くなよ…」


「…………」




話さない。


………話せない。




声が出ないから…







「夢輝様?」

「……あ、あぁ…」

「そちらのお嬢様は?」


「え?あっ、あぁ…こいつは…」






夢輝の言葉が詰まった。




なに?なんで?



そんなに、あたしは―…












「……―最高の女だよ」








―――――えっ…







顔を上げたら…






頬を少し赤く染めて、微笑む夢輝が居た―…











< 135 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop