婚約者代理!?
「まぁ、別にいいけどな!」
そう言って、健太はニッと笑ってくれた…
なんか、悪い事してる気分…
止めてた足が、また動きだす。
いつもの学校に向かう道なのに、今日は妙に長い。
普通、考え事してると、あっという間なのに…
あたしは前を歩く、広い背中を見た。
―――健太…
「あ!」
「??」
何か思い出したかのように、健太は振り向いた。
そして―…、一言。
「もし、俺に言える悩み事だったら、いつでも相談相手になるからな…」
優しくて爽やかな笑顔と、頼りになる言葉。
健太―…
「ありがとっ」
笑顔返ししてやった。
健太みたいに、爽やかじゃないけどね?
「いいって事よ!
奈津は俺の一番大事な―…
幼なじみなんだからな!」
――――健太っ…