婚約者代理!?
「夏休みの後半に、課題を持っていくと大変ですよ?」
わかってるってば…
でも、暑くてやる気が出ないんだもーんッ!!
「……教えますから、頑張りましょうよ?」
「いや、そうじゃなくて…」
「わからないのはどれですか?」
「だからさ…」
わからないんじゃなくて!!
やる気が出ないのッ!!
「奈津美さん?」
「……わかった」
「何がですか?」
「アイス食べたらやる気が出るから、買いに行く!」
「はっ!?」
「じゃあ、留守番よろしく!」
あたしは、リビングのドアを勢いよく開けて……勢いよく閉めた。
「ちょっ……奈津美さ―…」
もちろん、壱城君の言葉は無視。
とりあえず、この2人だけの空間から逃げる!ってか、逃げたい!
あたしは、小銭を持って川瀬家なのに壱城君しか居ない家を出た。