婚約者代理!?
あたしは別に、登下校とか一緒じゃなくていいし?
―――逆に、嬉しいよ。
「奈津はわかってないなぁ〜」
「何が?」
「あたしが思うに…―壱城君は本当に奈津の事が好きだと思う!!」
「「「「――っ!?」」」」
理江の声は、思ってたより通るしでかいから、周りの人達の視線は、一斉にあたしに向いた。
あ、女子ね。
「バッ!!
そんなわけないでしょ!!
壱城君があたしの事が好きなわけないからっ!!」
理江に負けないぐらいでかい声で言ってやった。
「絶対好きだって」
あたしの迫力に負けたのか、小声でボソボソなんか言っていた。
―ガラガラ
「あ!」
「…?」
「おはようございます、皆さん」
さっきの顔とは真逆の、爽やか笑顔を振りまきながら奴は、教室に入って来た。