婚約者代理!?
涙声なんて、かっこ悪いから咳を数回して、整えた。
そして
「ごめんなさい!!…夢輝は悪くないよ。だから、謝らないで…」
「……奈津美」
ちょっとしか泣いてないけど、きっと目は真っ赤で、顔はぐちゃぐちゃ…
こんなかっこいい人を前にして…あたし、キモい顔を向けてるなぁ…
夢輝はあたしの名前を呼んだかと思ったら、黙ってあたしを見たまま動かない。
その時
夢輝の大きな手が、あたしの方に伸びてきた。
きっと、怒られる。
今のあたしには、そっちの方向しか、考えられなかった。
打たれる!?叩かれる!?
力強く目を瞑った。