婚約者代理!?
―次の日…
昨日は結局、山崎先輩に会わずに2人で帰った。
気まずさ半分、嬉しさ半分。
そんな感覚だった。
「奈津、壱城君!おはよー!」
「理江、おはよ!」
「おはようございます」
登校中、前の曲がり角から、理江が出てきた。
「仲良く2人で登校ですかぁ〜」
「あのねぇ………―っ!!」
「「……?」」
ニヤニヤした顔を、あたし達に向ける理江の先に、例の先輩が居た。
数秒遅れて、夢輝も気づいたらしく、あたしを見た。
その目は、行くぞ!そう訴えてるようで、あたしにはその訴えに反抗なんか出来ず、黙って頷いた。
「ほら、歩こ?」
目の前に居る、理江の背中を軽く叩いて、あたし達は先輩に近づいた。