【短編】年下の彼
でも……。
いつものコンビニが見えてきたけど…ありえないくらいドキドキしてるし。
やっぱり行きにくい。
帰ろうかなぁ。
も〜〜う!どうしよぅ〜〜。
あ、あれ?
ふとコンビニの中の雑誌コーナーで立ち読みしてる見覚えのある姿に目がとまる。
ぇえ?春くん?!
このコンビニに寄った所なんて見たことなかった。
どうしているの…?
偶然?それとも…?
変に期待しちゃうよ…。
動けないまま目は春くんからそらせずにずっと見つめたまま。
ふと顔をあげた春くんと視線がぶつかる。
あ…
なんでかわからないけど、咄嗟にコンビニに背をむけ駅の方へ逃げるように走りだした。
駅につくと必死に走りすぎたせいで息が荒く、たっているのも辛い。
やばい…。逃げちゃった…。
「…おまっ…走るのはえーよっ…。」
えっ?!
聞き覚えのある声にゆっくり振りむくと少し息が上がった春くんがいた。
「…っ…な…んで?!」
ただでさえ息が上がって苦しいのに、予想外の春くんの登場で私の心臓はさらにドキドキが激しくなる。
「なんで逃げんの?」
えーっと…私もわかんないだけど…。
「昨日のこと怒ってんの?だから今日の朝もいなかったわけ?」
怒ってないし!朝は…色々あったからで…
でも言葉にならなくて…。怒ってないよって否定したくて…。首を横にひたすらに振った。
「そっか〜。じゃなんで逃げたんだよ?」
「な…んとなく…?」
息が整ってきて答えることができた。