【短編】年下の彼


「はぁ?なんとなくであんなに全力で逃げんの?」


眉間に皺を寄せて不機嫌そうにいう。


また怒らせちゃった?!
とりあえず素直に謝ってみる。


「は、はい。す、すみ…ません。」



「っていうか、かなり待ってたんだけど。」


「はい…。」


「なのに逃げられて、追い掛けねーといけねーし。」

「はい…。」


こ、こわいよぅ〜。
相当怒ってる?
っていうかなんで待ってたんだろう…。聞いてもいいかな?また怒らせちゃうかな?



「あ、あの〜春くん?」


「なんだよっ?!」


ひゃっ怖いんですけどー。

「ど…うして…私を…待ってたの…?」


小さい声で聞いてみた。


「おまえ昨日いきなり怒鳴って帰るし。今日は今日で朝も夕方もいねぇーし。怒ってんのかと思って。」


「え…?」

「それにいつもしつこいくらい居んのに、突然いなくなったら何かあったかと思うだろー!」


「心配…してくれたの?」

「わ、わりーかよっ!」


恥ずかしいのかそっぽ向いたけど、ちゃんと私には見えたよ。少し赤い顔。


照れる顔が可愛くて、少しだけ笑ってしまった。



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