【短編】年下の彼
「何笑ってんの?!」
再び不機嫌モードの彼。
ひぇっ!
「す、す、すみませんっ」
すると「帰る…」と小さく呟きくるっと方向転換して改札へ歩きだした。
へぇっ???
「ま、まってよう〜!」
走って春くんの隣に並ぶ。電車がくるまでまだしばらくある。
春くんの左側…やっぱりしばらくは私の居場所にしてていいよね?
…って!大事なこと忘れてた!!
昨日のこと謝ってもないし、朝の彼女?のことも聞けてないし!!
「あのっ春くん!」
いきなり大きい声で言ったからびっくりしたように私を見る。
「昨日は…ごめんねっ!私わがまま言っちゃって…勝手に怒って…怒鳴ってそのまま帰っちゃったし…。本当っごめんっ!」
勢いよく頭を下げた。
「もういいよ。俺も曖昧に行ったのが悪いんだし。…日曜日…」
ん?なかなか言葉の続きがきけず、不思議におもい下げていた顔を上げて、私よりもかなり高い春くんを見上げるように顔を傾ける。
「み、見んなよっ!」
あ…顔真っ赤。
「日曜日…模試じゃなかったからっ…!」
………。
そ、それって?
デートしてもいいってこと?それとも私良い方に解釈してるの?
「ねえ…それって…どういう意味…?」
やっぱり考えてもわからないから聞いてみた。
「だからー!日曜日お前映画行きたいんだろっ!ついてってやるってこと!」
「ほ、ほんとにっ?!後で嘘でしたーは無しだよっ?!」
「わかってるって!だから放せよっ」
あっ…必死になりすぎて…春くんの両腕掴んでた…。
「ご、ごめんっ」
パッと手を放すと急に恥ずかしくなり真っ赤になった顔を隠すように俯くとちょうど電車が入ってきた。