【短編】年下の彼


「えっと〜…。春くん…もう、帰らなきゃ…だよね…?受験生…だし。」



そうだよね。デートなんてしてる暇ないって言ってたもん。


「ああ…。そーだけどいーの?」


えっ?


「だからーもう行きたいとこねぇーの?ねーなら帰るけど。」



まだ一緒にいたいから、わがまま言っていいの?

どこか行きたいって言ったらまだ一緒にいてくれるの?


「あるなら言え。でないとまたデートしろって言うだろ、お前。」



「へ?い、いわないもんっ!」多分…。



「あっそ。ねーならまじ帰るぞ。」



また歩きだした春くんの腕を慌てて掴んだ。


いきなり掴んだからびっくりしてこっちをみる。



「ない…ことも……ない…かな。」



どこにも行かなくても、ただ一緒にいれればいいんだけど…。


そういうと本当に帰っちゃいそうだから……


「………は?」


ほら、変な言い方しちゃったから、呆れた返事…。



「だ、だって〜。まだ春くんと一緒にいたいんだもん。」


あ〜ぁ、正直に言っちゃった〜。


「お前なぁ〜…。なんで、んな恥ずかしいこと真顔で言えんだよ…。」


だって本心だもん。隠せないよぅ。



でも自分でいっておいてかなり恥ずかしくて、真っ赤になっちゃうし、なんか泣きそうになる。


「わ、わかったから、こんなとこで泣くなよ!?」


は、はい……。


珍しく慌ててる。だから頑張って我慢した。




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