【短編】年下の彼


「あれ?春じゃね?!」


振り向くと男の子が4人いた。


「げっ。」

えつ?今小さく舌打ちしたよね…。

「あっ本当だ!お前もこんなとこくんだな〜?」

「何してんの〜?」


「別に。」


ニコニコ可愛い感じの男の子が聞いてくると、春くんの後ろに隠れるようにいた私と目が合う。



「え?…………えーーー?!何、何?!デート?!」

「ぅうえっ?マジで?!春デートしてんの?」

「興味ないとか言ってちゃっかり彼女いんじゃん!!」

「ずっり〜〜!しかもめっちゃかわいい〜〜!俺タイプ!!」

「名前なんてぇーの?」


「……優希乃…です。」

「優希乃ちゃんって名前までかわい〜〜!」


見つかった私をみんなでジロジロみてる。


こんなに男の子いたら、いくら中学生でも、こ、怖い〜…。


「そんなんじゃねぇって!………ってか、そんなにジロジロみてんじゃねぇーよ!」


バシッと一番私の近くにいたチャラそうな男の子を叩いた。


「っぇて。」


本当に痛そう……。
でも助けてくれたんだよね。えへっ。


ぺシッ。軽く叩かれた。
「お前も何笑ってんだよ。」

ありゃ。怒られちゃった。


「で?彼女じゃないなら誰なの〜?」

また可愛い男の子が聞いてきた。


「……啓の姉ちゃんの友達。」


……………。


「「「「えーーっ?」」」」


「じゃ、高2??年上?!見えねぇーー」

「いいなぁ年上ー!」

「俺年上好き〜〜〜!」

バシッ。

あ…また叩かれた。


「うっせー。じゃ俺ら帰るから」



「えーもう帰っちゃうのー?!」


その声を無視して歩きだす春くん。

慌ててみんなにぺこりと頭を下げてついていく。


「優希乃ちゃん、まったね〜!!」


後ろから手を振っているのがみえた。



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