クライモアー
プロローグ
もっちゃん?


あたしの声、聞こえますか?



あたし、
もっちゃんが大好きだった


その思いは今も変わらない


本当は面と向かって言えばいいことなんだけどね。




もっちゃんのギューはね、


幸せだけど悲しくなる



力いっぱい抱き締めてくるから…




もっちゃんは何を抱え込んでるんだろう?


何で昔の彼女の話は避けるんだろう?



あたしが
まだ子供だから話してくれないの?


それとも、その人がまだ好きだから?



あたし、早く大人になりたくて、

もっちゃんに早く追い付きたくて



もっと早く生まれたかった

とか

もっと早く出会ってれば…

とか
ずっと思ってた



だけど、あたし達が


この世界に生まれ落ちてきたのも

こうして出会って付き合ったのも


全部、

全部、

運命だって信じてる



もっちゃん?


あたしの声は、貴方に届いてますか?
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