たった一言が言えなくて
幼なじみ



──ただ一言、君に伝えたい事がある。







「ねぇねぇ、バレンタインどうする?」




それは2月の初めの日。
友人の華乃の一言から始まった。



「はぁ?」



華乃の言葉に私はあからさまに顔をしかめる。月は如月。

この月になると女子はもう甘いお菓子会社の策略にハマリ、男子は何だかそわそわし出して、女子のご機嫌取り……点数稼ぎをし出すと言われる。そう……。



「だぁかぁらぁ、誰かにチョコあげるのかって聞いてんの」



バレンタインと言うイベントが近付いているのだ。
この日本と言う国で恋のイベントとして女子が男子にチョコレートと言う甘い爆弾を投げ付ける、伝統行事。


甘い甘い恋のナイフで憎い相手の息の根を止めて永遠の愛を誓い合う伝統的な習わし……。



「いやいや、甘い着ければ良いってもんじゃないから!つか、ヤンデレ!?てか、アンタそれ死ぬから!!思考が危険だから!」






まぁ、そんなのはどうでも良くて、つまり浮き足立つ訳だ。みんな。





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