たった一言が言えなくて
しかし、何故、彼女はそんな馬鹿げたイベントをこの私に持ち出すのか耳を疑う。
この私に、だ。
「そりゃあ、アンタのバレンタインの嬉し恥ずかしな話は楽し……愉しいから」
「いや、つか、華乃。今言い直した?えっ、何?『楽しい』を言い直した?」
「そんな事よりあげないの?」
ちょっと、こいつスルーしやがったんだけどぉぉぉぉぉお!!
舐めてんのか?舐めくさってんのか!?
とか言ったら何だかんだSっ気のある華乃ちゃんは倍に返してくるから言わないでおく。
さらに良い笑顔。何故、そんなところで強制?
「早く言いやがれ、話が進まないでしょ、穂南。作者だって面倒だって言ってるわ」
「いや、言ってないから!爆笑してるから!!なんか!」
そう反論すれば何故か睨まれた。いや、別にふざけてるわけじゃない。
真実を言ったまで何ですけど、マジで。