たった一言が言えなくて
「今更、改まるのも、ね」
「改まって言わないと恋は実らない!この先の進展も見込めないでしょ!ほら見なさい!!あれを」
「うにゃ?」
項垂れる私は顔だけ佳斗の方にむける。
身体は華乃を向いてるから斜め何だけど(この説明わかりにくい?)、この捻れ具合は結構キツいんですぜ、華乃さん。
何て事を思いながら見た、くっそ相変わらず佳斗は可愛いなぁじゃなくて!!
そこにはいつの間に居たのやら我等が学園一の異性同性にモテる美少女、美野麻彩が楽しそうに佳斗といちゃこ……じゃなくて、談笑しているところだった。
ちょっと何、顔を赤らめてんだ佳斗さんよぉー。
「ヤバいです!隊長、佳君が学園一のモテる女子と談笑してます!」
「おおう!そりゃあ大変だ、佳斗が獣になる前に彼女を助けなくては」
「そうであります!今すぐ突げ……ってそうじゃないだろぉぉぉぉぉぉお」
「うぇぇえ!?軍曹痛い痛いギブギブ!」
華乃にラリアットを咬まされた私はそのまま息の根が止まっ……らずに授業の予鈴が鳴って何とか生き延びた。