たった一言が言えなくて
授業と拉麺の関連性
「……チッ……」
「ちょっ、何その舌打ち!?」
「兎に角、穂南はもう少し危機感を持ちなさいよ?そしてコクれ」
と言うと授業の本鈴が鳴って華乃は自分の席へ戻っていった。
私はそれを遠目で見送るとノートを広げる。
華乃の言いたい事はわかる。
そりゃあ、口から赤ちゃんを産み出すくらいわかっているのよ担々麺。
あれ?何か違う?
緊張感がない?気のせいです。
本当の事を言えば、今のこの関係を壊すのが……──
「んじゃあ、次の問題を神沢穂南答えてみ」
「えっ、はい……担々麺食べたい?」
「いやいや、それはお前が食べたいんだろ?この式の答えをだな」
「じゃあ、チャーシュー麺大盛りで!」
「だからここは拉麺屋じゃないからぁぁぁぁあ」
凄く恐いんだ──。
(その前に周りが爆笑していたのは、言うまでも無いのだけれど)