セカンドガール〔美容師に恋した春〕実話
後ろ姿しか見えないけど

茶髪にスラリと伸びた背



きっと、そうだよね?



あたしが来た時はいなかったのに、いつの間に来たんだろう。

そういえば、店内も混んできた。



チラチラと鏡を見ても
彼は一向に振り向かない。



すぐ真後ろで、お客さんのカラーをしてるのに

広い店内と
席同士の距離が離れてるおかげで、話し声も聞こえない。




こっち向いて……



願いは届かずに
彼はどこかに行ってしまった。




あきらめて
また雑誌に目を落とした。
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