黒髪×金髪
おれのケータイ
俺はどんどんクラスの奴らと仲良くなっていった。
俺のカラッポだったケータイのメモリーはどんどん増えていった。
俺はそれが嬉しかった。
「なぁ~そこの席、誰なの?」
俺は気になっていた、ずっと誰も座っていない席を見て、
何気なく聞いてみた。
「………っと~、えと、なんか休んでるやつがいんだよ!!」
クラスの男子が焦った様子で言った。
「ふーん」
俺はあきらかにおかしいと思った。
まぁいいや!
ほーっとこ~。
「菊池くんっ」
へ…?
俺を呼んだのはクラスのマドンナ
“田中さん”だった。
「メアド、教えて?」
周りにいた男子の視線がブワッと俺に向けられた。
みんなに教えてるし、ま、いーか…
という気持ちで俺は田中さんにメアドを教えた。
その夜、田中さんからメールが来た。
『南だよ♪メアド教えてくれてありがとう!!これからよろしくね☆』
俺はすぐ返信した。
『うん☆よろしく!』
それから、ずっと田中さんとのメールが続いた。
部活のことや、友達のこと…
あと、田中さんじゃなくて“南”って呼んでって言われた。
俺は南って呼ぶことにした。
なんかこーゆーの、いいね
俺は思った。