天使への判決
「朝戸がな…殺されたんや」
シュウイチさんの悪い話というのは、俺にとってある程度予測出来ていた。
だが、こういうカタチでシュウイチさんの口から出てきた『朝戸の死』は、別の意味で俺の緊張感を一気に高めてゆく。
「えっ…?」
俺は白々しくも驚きを隠せないといった声を上げた。
「俺はニュースで知ったんやけどな…さっき早速警察の連中が組に来よったわ」
俺は無言のまま、シュウイチさんの話に神経を集中させていた。
「まあお前にとっちゃあ、ショックな話やろうが、次期にお前んとこにも捜査が行くやろうな…」
俺は、シュウイチさんの声が、いつもより低くドスの効いている事に気付いた。
長い付き合いだから判る…
間違いなく、俺の周囲を疑っている…
「とりあえず、ナオキの捜索はヨウスケに任せて、すぐに組に来いや」