天使への判決
「おなか空いたなあ・・・」
里沙がポツリと呟くと
女性看護師がどこからともなく、お菓子を持ってきてくれた。
「はい。どうぞ」
「あ、ありがとうございます。」
里沙は看護師にペコリと頭を下げ
子供らしからぬ丁重なお礼をした。
(パパとママはどこにいるんだろ・・・)
お菓子を頬張りながらも、今にも泣き出しそうな顔の里沙の横で看護師が椅子に座る。
「里沙ちゃん・・だよね。
今何歳?
自分のお歳、言えるかな?」
「うん。5歳!
あ・・・違う。6歳!」
里沙は自分の返事で、今日が誕生日である事を思い出した。