天使への判決
「遅い!!」
入ると同時に浴びせられた怒鳴り声に、俺の肩が一瞬ビクッとする。
目の前にシュウイチさんが立っていた。
「どんだけ時間かかっとんねん!?
お前の足は飾りか!?」
シュウイチさんは、そう言いながら俺の足をパンッと叩いた。
部屋の奥では組長がテレビのニュースに見入っている。
「申し訳ありません」
俺は組長が見ているテレビの画面に気を取られながらも、頭を深く下げた。
「っとに、俺だけの時はええけどやな、組長を待たせんなや!」
「はい…以後気をつけます」
俺は手を後ろに組んで再度頭を下げる。
「まあ、ええわ。
そこ座れや」
シュウイチさんは組長の顔をちらっと見るも、黒い革製のソファーに腰を下ろした。
「失礼します」
続いて俺も座る。