天使への判決
足を止めリサの頭に手を回すと、リサの小さな頭は俺の手の平にすっぽりと収まった。
リサの顔に、俺の顔が影を落とす。
そして、リサの唇に
ゆっくりと唇を重ねた。
リサが微かに震えているように感じるのは、多分俺の気のせい。
震えているのは俺の方だ。
たかがキスだと思っていたのに、何故こんなにも緊張するのだろう…
胸の鼓動は一向に収まる気配がない。
小鳥の囀り、行き交う車の音。
全ての音を閉ざし、俺の頭の中は白く塗り潰される。
俺はリサの髪の毛をゆっくりと撫でながら、何度もキスを交わした。
臆病な俺は、今はキスを交わす事でしか愛を表現できない。