天使への判決
「まあ、そうカリカリするな。
このご時世に伝票が多いというのは、会社にとって良い事だ
あと、この領収書も処理しておいてくれ」
そう言って渡されたのは、クリアファイルに無造作に挟み込まれた多くの領収書。
立ち去る専務を尻目に、溜め息をつきながらクリアファイルの領収書に目を通す。
一番上にはこの前のバーで専務が支払ってくれた、私とユウコの飲食代金が記載されていた。
「ねえねえ、ユウコ…
専務自分が払うとか言っておいて、会社の経費で落としているよ…」
「ほんとだ」
「意外とセコいんだね…」
そう言って二人で目を合わせて笑い合った。
…しかし
今月は異常だ。
私は今日の店のシフトを代わってもらうため、周りの目を盗んでソフィアの店長にメールを打った。
【ごめーーーん。今日仕事が片付きそうにないです。誰かに交代してもらってね♥】
よし、送信。
そして、残りの書類に目を通していた時、携帯の着信メールに気がついた。