天使への判決
あれ?
ここは、どこだろう…
暗く静まり返った部屋。
ベッドに寝て、私は天井を見上げていた。
ふと目線を移すと、窓に映るのは、満天の星空。
「うわぁ……」
私は思わず声を上げた。
まるで幻想の世界だ。
東京ではまず見る事のない一面の瞬き。
ここが何処なのか考える事すら忘れ、暫く夜空に見取れていると、
コンコン…
と、ドアをノックする音が聞こえた。
「はい…」
反射的に返事をするのと同時に、ドアがゆっくりと開き、ロン毛のイケメンがチラッと顔を覗かせる。
専務……
「入っていいか?」
遠慮がちにそう言うと、専務は顔だけ覗かせたドアの隙間から、スーパーの袋を見せて、優しい顔で微笑んだ。