天使への判決

「俺はただの居候か？
…それとも同居人か？」


さっきまでの穏やかな顔が一瞬にして険しい顔になる。

その表情にゾクッとした。



「何が言いたいの？」

首筋にたった鳥肌を隠すように頬杖をつくと、私はケンジの瞳をじっと見据える。



しばらくして目を逸らしたケンジは、ジッポに火を点けるとタバコの先に当てがう。


ふうっ…という大きなため息と共に、白い煙が吐き出された。


「お前はホント掴めねえ女だよ
ふわふわしてて…
何処へ飛んで行くか、心配でしかたないんだ」


ケンジに言われたくないわ…

喉の奥まで出かかった言葉を必死に堪える。