天使への判決
「そうね、しっかり捕まえておかないと、きっとどこかに飛んでいくわ」
私はそう言ってケンジの隣に移動した。
不思議な感覚…
連絡をしなかったくらいで怒り、私を独占しようとするケンジの気持ちが妙に心地良かったりする。
ケンジの胸に寄り添う。
ねえ…ケンジ…
あなたは人を自殺に追い込むような、そんな人間じゃないはず。
あなたは優しいのよ…
ケンジの仕業じゃないんでしょ?
ケンジの表情を伺うと、恥ずかしそうに瞳を逸らした。
正直いうと、ケンジの事をもっと知りたい。
それが本音。
でも、知ってしまうと、ケンジとの関係にどっぷり浸るか、サヨナラするか……
今の心地良い関係が終わってしまいそうな、そんな予感がする。