天使への判決

私はケンジとどうなりたいのだろう…

時々、自分の気持ちが解らなくなる。


ケンジはいつも甘えさせてくれ、私のわがままも聞いてくれる。


結局はその事をいい事に、ケンジを利用してしまっているのではないだろうか…

自分の事が解らないからこそ、ケンジの気持ちを時々確認しておかないと、不安になる。



「ねえ、ケンジ、私の事好き?」

「ああ」


「ちゃんと言って」

「好きだよ」


「そんなんじゃ足りないよ」

「大好きだ、愛してるリサ」


これは愛…?

それとも欲…?



私はゆっくりとケンジの唇を口元に引き寄せた。

んっ…

ケンジに対する疑いに、ケンジの心を求める欲望と身体の温もりを求める欲望が交錯する。


< 208 / 328 >

この作品をシェア

pagetop