天使への判決

「昼の仕事は楽しいんか?」

「えっ?昼の仕事ですか?う〜ん…楽しいか楽しくないかって言ったら、楽しい方ですね。でも広告代理店の仕事って、残業は多いし月末なんか最悪」

私はため息まじりに笑った。


「広告代理店っちゅうたら、あれか…?テレビコマーシャルなんかも作ってるんとちゃうんか?」

「そうですよ。うちの会社は結構有名なテレビCMも手がけてますよ」

「ほ〜?例えば?」


一瞬私は躊躇した。

CMスポンサー名を出せば私の会社が特定されてしまう。

しかし何故かこの男の優しそうな笑顔を見てると、話しても何ら問題ないという確信すら覚え、私は広告スポンサーの社名を幾つか挙げた。


自分の指を折りながら話していたので、ピュアリスの名前を出した時、男の顔つきが変わった事に私は全く気がつかずにいた。


< 234 / 328 >

この作品をシェア

pagetop