天使への判決
「昼の仕事は楽しいんか?」
「えっ?昼の仕事ですか?う〜ん…楽しいか楽しくないかって言ったら、楽しい方ですね。でも広告代理店の仕事って、残業は多いし月末なんか最悪」
私はため息まじりに笑った。
「広告代理店っちゅうたら、あれか…?テレビコマーシャルなんかも作ってるんとちゃうんか?」
「そうですよ。うちの会社は結構有名なテレビCMも手がけてますよ」
「ほ〜?例えば?」
一瞬私は躊躇した。
CMスポンサー名を出せば私の会社が特定されてしまう。
しかし何故かこの男の優しそうな笑顔を見てると、話しても何ら問題ないという確信すら覚え、私は広告スポンサーの社名を幾つか挙げた。
自分の指を折りながら話していたので、ピュアリスの名前を出した時、男の顔つきが変わった事に私は全く気がつかずにいた。