天使への判決

「ピュアリスっちゅうたら化粧品で有名なあれか?」


「ふふ…そうよ」


「いい得意先もってんなあ」


「でね、でね、専務さんにだけ特別に教えてあげようか?」


「ん?何をや」


「実は私ね…

今度のテレビCMに出演するようになったの」


「はあ?テレビCMに?姉ちゃんが?」


「もう!姉ちゃんってやめてくださいよお!リサって読んでください」




私は笑いながら男の膝に手を乗せる。


「おお、わるいわるい。で、リサちゃんはなんや…将来、芸能人になるんかいな」


「そうですね。うまくいけばそうなるかもしれないわ」





先日のコンペの結果は永瀬専務から翌日聞かされた。

内容は私たちの圧勝。


プレゼンの票の中でも、私のプロモーションが大半を占めていたらしい。

必然的に私はピュアリスの広告に採用されることになった。

1日にして全国へ露出される媒体のモデルへとなったのだ。



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