天使への判決

「堅二の様子がここ最近おかしくて後を着けてみたんや。

そしたら、女の部屋に入り浸っている事が分かったからな…

ここ最近、あんたの素性を知るために、若い衆に着けさせて調べさせてもろうとったわ。」

なっ…


「しかしあの田子森っちゅう看護師はよう喋るのう。

ちょっと脅したら、あんたの事、洗いざらい言いおったで。」

男は時折、考え込む仕草をしているが、表情を全く変えずに淡々と話しを続ける。


「ファイルをあんたに見られてしもうたんは、堅二の責任やからな、あんたにどうこう言うつもりもない…

けど……」

男は耳たぶを触りながら、くわえているセブンスターに火を点けた。

「あんたの仕事が問題やなあ…」


フウッと吐かれた煙が目の前に覆い被り、私は思わず顔を背けた。


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