天使への判決
私は永瀬の言われるままに、ソファーに浅く腰を下ろした。
同じタイミングで永瀬と有田が向かい側のソファーに深く座る。
この二人を前にすると、ほとんどの社員は萎縮してしまうのだが、私はこの凸凹コンビを見ると、思わず笑ってしまいそうになる。
「まあ、そんなに緊張しないで」
大仏社長が、目尻を下げて微笑んだ。
緊張…?
してないし…
有田の洞察力のなさは多分、仕事にもそのまま現れているんだ…
有田と永瀬は、こんな些細なところにも差がでているのが解る。