天使への判決
「リサちゃんは転んでも転んでも起き上がる子だったね。」
「そうなの?」
「病院に遊びに来る度に走り回っては転んで、当時の看護師を困らせたもんだわ。」
そう言ってミキ姉ちゃんはクスクスわらった。
「でもね、立ち直りが早いっていうか……
ほら、恋愛でもそうだったじゃない?
彼氏と別れても、すぐに次の彼氏見つけてたし。」
ミキ姉ちゃん…
それは、全部私の方から振ってたから…
私は苦笑いをして俯いた。
「でも、転んで起き上がった数だけ、人は前へ進む事ができるの。
転ぶのを恐れて、走らない子供は絶対に足が速くなんてなりっこないわ。」
「シホー!リサー!」
女の子達の母親らしき女性が手を振りながら近づいて来た。
「あは、リサだって…」
私とミキ姉ちゃんは二人で顔を見合せて笑った。