天使への判決
『あんたは素直すぎていかん…』
シュウイチさんに言われた言葉。
素直すぎるというより、軽率すぎるといった言葉が、私にぴったりなのかも知れない。
思わせ振りな事だけ言って、あれじゃただの尻軽女だよね…
「どうしたの?」
ミキ姉ちゃんが携帯を覗き込むようにして言った。
「あ、いや…何でもないよ」
私は携帯の画面を閉じると、財布を手にし、慌ててその場から立ち上がった。
病院の中庭を抜け、院内の売店に向かう。
どうしよう…
できることなら「冗談でした」と流してしまいたい。
『中山組と繋がりがある』
その言葉思い出しただけで、余計に身構えてしまう。
専務と二人っきりで、どんな顔をして話したらいいのだろう…
「高山さんの件」と書かれているだけに、断ろうにも断れなし、
ましてや直属の上司からの誘い。
「はぁ…」
思わずため息が溢れた。